2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

まなざし

ブルキナファソにはまだカーストが残っていることを知った。 鍛冶屋や革職人、靴の修理屋なんかは代々その職業にしか就けない。 Koroの村でも鍛冶屋は固まって住んでいて、鍛冶屋の人は陶器を作る女性としか結婚できない。 生まれたときから一生が決まってい…

生贄

Koroという村に行った。山の上にある村だった。 11世紀頃にその地域では争いがあって、平地に住んでいた人たちが敵が来たらすぐ分かるように山を開拓して移住したらしい。 生活条件の厳しいところで、水はもちろん出ないからふもとから運ばないといけない。 …

相互依存

SEの仕事というものをほんの少しおしえてもらった。 ウィンドウを立ち上げて、 二つのセルにそれぞれ自由に数字を入れて、 ボタンを押すと、三つめのセルに計算結果が表示される。 それだけのものを作るのに、十行くらいのコマンドを書く。 普段何気なく使っ…

にわとり その2

にわとりの立ち振る舞いがとても美しいことに気付いた。 立ち止まったときのシルエット、下を向いたときの尾の形などははっとするほど美しい。二羽でいるときなどバレエのパ・ド・ドゥのように優雅に見えた。

結婚「式」

村の教会で結婚式を見た。 白いドレスに身を包んだ花嫁が幸せそうに周りから祝福される、 そういう風景はそこにはなかった。 新郎新婦がその両親と共に並び、神父の長い説教を聞く。 普段着ではないが、おそらく村の集まりや教会などに行くときに着る「きち…

「客観」という暴力

地面を触った手でパンを食べるのを見て「汚い」と思うのは、そうしてはいけないと言われて育ってきた人が、そうでない人と出会っただけのことで、 「汚い」のは「事実」ではなくて「感想」でしかない。 もしかしたらそうして少しずつばい菌に体を慣らすのは…

洗礼は洗脳か、親のエゴか、自然な価値観の形成か

洗礼の儀式の短い間でさえじっと話を聞いてられないような小さな子どもを、あやして黙らせて洗礼を受けさせる。 そこにはその子の意志はなく、その子にとって宗教は「選択」ではなく、気付いたら自分の「生活の一部」を占めるものとなる。 それでは洗礼は「…

宗教

暑くて苦しいと、何もする気になれずにだらけてしまい、 「こんなに暑けりゃ国が発展しないわけだ」なんて思う。 しかし、生活条件の厳しい地域から宗教は生まれたとも聞く。 中東の50度近くになる暑い地域で真っ黒の布を全身にまとう女性は極端な例かもしれ…

イス

フランス語を勉強し始めて三ヶ月余り、まだまだチンプンカンプンで、家の人が現地語を話しているのかフランス語を話しているのかさえわからない。 目を見てゆっくり言ってくれるとき以外、何の話をしているのか見当もつかないから、イスに座って話を聞いてい…

生ゴミ

ホストファミリーの暮らす、塀で囲まれた敷地の中には、鶏、犬、猫、ホロホロ鳥が暮らす。時には豚やロバ、牛もやってくる。 パンもトー(こちらの主食でトウモロコシの粉で作った餅のようなもの。)も、切り落とした野菜屑も、それらの動物が寄ってきて我先…

ロバ

街中でも村でも、たくさんロバを見た。みな、どこかおびえ、つつましく人間に従い、鞭で打たれて重い荷物を運んでいた。 綱がついていないときでさえ、ロバは逃げようとせず、藁葺き屋根の下に佇んでいる姿はかわいそうで、 どうして彼らは鞭を打たれる側な…

夕方、辺りには街灯も電気のついた家もないから日が沈むと一気に暗くなる。まるで息を吐くたびに暗くなるかのような錯覚を起こす。 遠くのたき火が美しい。 ふうっとため息をついて上を見上げると、もう星が見えた。 知っている星座なんて一つもないかと思っ…

にわとり

エサを探して絶え間なく動くにわとりその姿をあわれに感じつつも、人間も実はそうなのだと思った。 分業が進んだから、一人の人間がひたすら自分の口に入れるものを探すようなことはしないが、全体としてみれば人間だってひたすら必死に生きている。 にわと…

手をつないでくれたこと

以前、マレーシアで似たような体験をした。 老夫婦の家に二泊三日滞在したが、習いたてのマレー語は全然通じず、「食べる」「寝る」「シャワーする」の3単語くらいで暮らした。 さびしくて、楽しめなかった。 言葉が通じなくても楽しく過ごしていた友達を見…

場違いなシャンプー

すぐ近くから話し声が聞こえる中、 四角く区切られ小さな排水口があるだけの空間で 裸になって体を洗う。 村は静かだ。 話し声と牛、にわとり、ヒヨコの鳴き声の他は 虫がジーという音をたてるだけ。 自分がひどく異質になったような気分で、 これまたひどく…

農村

語学研修が始まって一週間、村の暮らしを見るという目的でレナという村に行った。 ボボ・デュラッソから55キロ余り、とても自力では戻れないような、入り組んだ未舗装の道を進み、家がポツポツと点在する村の入り口を抜けると、開けた場所に大勢の子どもたち…

ボボ・デュラッソでの「語学研修」

ワガドゥグから355キロの第二の都市、ボボ・デュラッソに来た。 ワガよりも過ごしやすいと聞いていたが、大して変わらないと思われた。 ブルキナファソは年間の平均気温が30度を下回ることがない。 中でも、3月、4月は平均気温が40度で、暑い日は日陰でも40…

最貧国での豪華な食事

ある日、イタリアンを食べに行った。ピザやパスタ、マリネなんかを食べ、生ビールを飲み、仕上げにいちごパフェを食べた。 「これはこの店でしか食べられないんだ。」 先輩隊員が得意気に言う。 隊員は、もちろん一概にはいえないが、多くの隊員は、同期の仲…

ギョウザ

空港ではJICAの調整員が待っていた。 入国審査から荷物の受け取り、車に乗るまでのことを丁寧に説明してくれた。 私はパソコンを入れて持っていっていたから、スーツケースの下に置かれてはたまらないと「ここにパソコンあるから!」と言うと、わかったとい…

ブルキナファソ

成田とパリでそれぞれ一泊し、落ち着かない気持ちでシャルル・ド・ゴール空港を飛び立った。 いよいよ、アフリカ大陸へ。 前日、疲れた体を無理矢理動かし、終電ギリギリまでパリを観光したせいか、飛行機ではほとんど寝ていた。 途中、ニジェールのニアメに…