夕方、辺りには街灯も電気のついた家もないから日が沈むと一気に暗くなる。

まるで息を吐くたびに暗くなるかのような錯覚を起こす。


遠くのたき火が美しい。
ふうっとため息をついて上を見上げると、もう星が見えた。


知っている星座なんて一つもないかと思ったら、オリオン座があっさり見つかった。
三つ並んだ星の下のおねしょ星まで、この上なくはっきり見えた。


木の影も、吹く風も、とても美しい。


暗くなって視界がぼんやりして、急に目が悪くなったような感覚になったが、じきに真っ暗になって、見えないことに慣れた。