永遠のゼロ

『永遠のゼロ』百田尚樹


先日、やっと映画を観に行った。
良かったけど、一部うーん、と思うところも。
主人公の友達が嫌な感じすぎるのと
最後の方の、現在と過去が重なる演出はやりすぎかなーと思った。
やっぱり小説の方がいい。


その後、堀越二郎の『零戦』を読んだら
零戦が生まれたときに他国の戦闘機に対してどれだけ優位になったかに驚き、
その後追いつかれ、追い抜かれ、それでも零戦に頼るしかなかったというのをより詳しく知った。


当時零戦を作った三菱重工業は敵だった人たちにも尊敬された、
特攻隊には遺書に書ききれなかった想いがあったはず、
戦争中でも命の大事さを訴えて、上官に逆らった人がいた、
そうしたことを語るときに過剰に演出してしまってはいけないところが難しいと思った。


ビートたけしが東日本大震災のことを語ったものを読むと、
特番を組んだり映画化するというのではなくて、
ただありのままの一人ひとりにスポットライトを当てることの大事さを感じた。


この震災を「2万人が死んだ一つの事件」と考えると、被害者のことをまったく理解できないんだよ。

じゃあ、8万人以上が死んだ中国の四川大地震と比べたらマシだったのか、
そんな風に数字でしか考えられなくなっちまう。それは死者への冒涜だよ。

人の命は、2万分の1でも8万分の1でもない。
そうじゃなくて、そこには「1人が死んだ事件が2万件あった」ってことなんだよ。