相互依存

SEの仕事というものをほんの少しおしえてもらった。
ウィンドウを立ち上げて、
二つのセルにそれぞれ自由に数字を入れて、
ボタンを押すと、三つめのセルに計算結果が表示される。


それだけのものを作るのに、十行くらいのコマンドを書く。


普段何気なく使ってきたパソコン、
この「パソコン」が出来上がるまでに
どれだけの人が、どれだけの時間と労力を費やしてきたのかと思うと
気が遠くなる。



周りを見渡す。


タイルの壁。


タイル一つひとつ、作った人、作る機械、
作る機械を作った人、
タイルを張った人、
「タイル」ってものを考え出して、試行錯誤をしてきた人、


たくさんの人がかかわって、この壁はできている。



外を歩く。


「シノワ!(中国人)」「ニーハオ」と話しかけられる。
日本人であることを伝えると、少しうれしそうに
「ア〜ジャポネ」と言ってくる。


その人の人生の中の中国人と日本人、
新聞やテレビの中の中国と日本、
普段の会話や日用品に出てくる中国と日本、


いろんなものの積み重ねの結果、
「シノワ!」、「ア〜ジャポネ」という言葉が生まれる。


私が出会う人、使うもの、なげかけられる言葉、笑顔、
そこには目に見えない歴史がある。
人から人、手から手、言葉から言葉、
たくさんのものを経て、
それは存在している。