レビュー

輝く夜

『輝く夜』百田尚樹 一話ずつ美しいエンディングがあって、 外出先で読もうと思ったけどガヤガヤしてるところではもったいない気がしてきて 家でジャズをかけながら読むことにした。 浅田次郎の短編集を読んでいるつもりになっていて、 読み終わってから百田…

『わたしを離さないで』

『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ ハヤカワepi文庫 音のないメリーゴーランドのような美しさと不気味さ、 涙のない渇いた哀しみがあった。 無表情で、ときに笑顔で、理路整然と 「なぜあなたが死なないといけないか」と説明をされて 少しずつ自分の足…

『ツキを呼ぶ<魔法の言葉>』

『ツキを呼ぶ<魔法の言葉>』五日市剛 マキノ出版ムック タイトルを見て宗教的なものかと思ったけどそうではない。 薄っぺらい冊子で、数時間で読めてしまうけど、自分の血肉になったと思える本。 魔法の言葉の一つは「ありがとう」 何か嫌なことがあったと…

『霞町物語』

『霞町物語』浅田次郎浅田次郎自身の青春時代を描いた美しい連作短編集。 祖父の死ぬシーンが何度も出てくるのが印象的だった。 死は死ぬ人以外にとっては 思い出すたびに何度となく繰り返されるものだということを感じた。 動いているということは千分の一…

『鉄道員』

『鉄道員(ぽっぽや)』浅田次郎 錆びて曲がった鉄釘、いろんな色のタイル、古びた鍵、きれいな色の落ち葉・・・ ガラクタなんだけれどどこか心を惹かれるものを私はひそかにコレクションしている。 そこに加えたいと思った初めての本。心の底の方にそっと持…