ロウソク

樹齢6000〜7000年というバオバブを見てある人が言った。
「あんまり動かない生き物の方が長生きするのかもね。
ゾウとかカメとかのろいけど長生きでしょ?
でもハエとか絶えず動いてるやつは早い」



生き物にはそれぞれ命の源ともいうべきエネルギーの量が決められていて、
それぞれが精一杯それを燃やしつくそうとしているのかもしれない。
太くて短いロウソクは早くに消えるが、強い光は見る者の目に残像を残す。


細くて長いロウソクはゆっくりじわじわと火を灯し続け、
とけたロウもまたロウソクの一部になり、
だんだん大きく、にぶくなり、自然と畏敬の念を抱かせる。