セーフティネット

扁桃炎になってしまい、昨日病院に行ってきた。


抗生物質を処方してもらい薬局に行ったが品切れ。
結局炎天下で1時間以上自転車をこいで薬局を5件まわってようやく薬が買えた。
3粒で約2000円という超高級な薬(保険がない)のおかげでもう喉はまったく痛くない。


薬局で会計を待つ間、何人もの人が薬剤師の人と
「これだけしかお金がないからこの薬だけほしい」というやり取りをしていた。
私が買った薬もこんな高いとなかなか買う人がいないからあんまり置いてないんだろうなぁと納得。


ブルキナには保険がないので、
多くの人は病気になると月給と同じくらいの出費になってしまったりして家計に大打撃を受ける。


毎日繰り返されるあいさつ、
「元気ですか?健康は?家族はどうですか?」(Ça va? La santé? Et la famille?)

昨日も聞いたじゃないか、家族と話してないからわからないけどたぶん元気だよ、
と思ったりして正直答えるのがめんどくさいと思うときもあるけど
この国では毎日健康であることの価値がものすごく高いんだろう。


医師不足や機材、薬剤の不足、不衛生と、医療に問題が多いので
誰かの家族や知り合いが急病や事故で亡くなったというニュースを聞く頻度が高い。
死が身近であることは決していいことじゃない。


3日ほど前、友達の赤ちゃんがマラリアになって病院に行ったけどお金がなくて薬を買えず、
5時間も私の帰宅を待っていたことがあった。
私が1000円ほどあげてすぐ薬を買いに行き、
今日は少しずつ物が食べれるようになったと言っていた。


私がお金をあげてなかったらどうなっていたのだろうか。
私がいなくなったあとはどうなるのだろうか。


普段から栄養状態を改善するにもバランスの良い食事はお金がかかる。
ブルキナには健康保険を国レベルで整備するほどの体力はないかもしれない。
家計の危機に対してのぜい弱性(vulnerability)を改善する取り組みをしない限り
乳幼児死亡率は医療や公衆衛生だけではなかなか下がらないだろう。