4ヶ月と30時間

空港に着くと、以前よりきれいになっていて、
ちゃんとベルトコンベアーの上を荷物が流れてきた。

北方謙三がブルキナに来た約十年前には
滑走路が舗装されておらず、掘立小屋のような空港だったそうだから相当な進歩だ。


車に乗り込むと、物売りが寄ってきてケータイのSIMカードを見せてきた。
日本人の一人がとんでもなく安い値段を言うと
物売りが「ヒェッ」と高い声を出して、みんなで笑ってしまった。


なつかしい。
ブルキナ人の驚いたときの高い声は特徴的ですごくかわいいのだ。
男の人でも「キャッ」と言ったりする。


成田からパリまで13時間半、パリで12時間待ち、パリから5時間半。
30時間ほどかかる。長いけれど、今回はたったこれだけで来れるんだと感じた。
4ヶ月の待機で「来る」ということの背景にあるものが少しわかったからか。


残り6ヶ月、したいと思っていたことを全部するには短すぎる。
いくつかしぼるにしても、忙しくなりそうだ。