「個人」か全体か

ブルキナファソ中央・北部地域(Centre-Nord)のカヤ(Kaya)にあるブスマ(Boussouma)村へ行ってきた。


毎年年末に大勢の人が集まり、王さま(Empereur)に挨拶をするという式典があり、
2日間、各地から大勢の人が集まり、大きなお祭りになる。


ブルキナには5人王さまがいて、村長(Chef)を任命する権限を持っている。
カヤの王さまは在位43年で30人子どもがおり、そのうち12人が村長になっている。


王さまや村長には大変な敬意が払われ、老いも若きも皆へりくだって挨拶をする。


正座の足をくずした、いわゆる「お姉さん座り」で上半身を低くし平伏する姿は、
獣が強い相手に対して体をかがめる仕種を連想させる。






部族社会では王さまや村長、家長の権限が強い。
多くの慣習に従わねばならず、時に望まぬ結婚をさせられたりもする。
しかし結束が固く、一人の問題はみんなで解決しようとする。


一方、日本のように核家族化が進み近所づきあいも希薄なことが多い社会では
個人の自由が大きい代償に「個人」として意思決定を認められにくい人の権限が限られていると思う。
乱暴な言い方になるが、子育ては保育所、介護は老人ホームと分業化、外注化が進む。


「個人」か全体か、これは多数決で決めてはいけない。