Voilà!

ブルキナに限ったことではないと思うが、
生活していてよく耳にする言葉がある。


"voilà"(ヴォワラ)


意味は多様で、間投詞的な表現に限っても5種類ほどある。
①さあ、ほら(行為の完了、強調);
②はい、わかりました、そうですか(返答);
③以上のとおりです、そういうことです(話のしめくくり);
④実は、さて、つまり(話の前置き);
⑤そのとおりです(同意);


実際、ブルキナではなんでもかんでも"voilà"が使われる。


例1 自転車を押してもらって
私:Merci.(ありがとう)
ブルキナベ:Voilà!


例2 タクシーでお釣りがなくて50F(10円)余分に払わされたとき
私:Ok, je vais laisser.(わかった、あきらめる)
ブルキナベ:Voilà!
私:(むかっ)


例3 ガードマンが寒いからお茶をくれと言ってきてあげたとき
私:Bon appétit.(どうぞ)
ガードマン:Voilà!
私:(そこは「ありがとう」じゃないのか…??)


他に、
ビールをそそぎながら、サッカーで上手くパスが通ったとき、
何かの名前が出てこないとき(「〜など」の代わり)、
説明が終わったとき、説明がわかったと伝えるとき、
何か取ってあげたとき、何か取ってもらったとき、
話し始め、文のつなぎ、話し終わり、あいづち、、、


様々なシチュエーションで"voilà"が使われる。
「ありがとう」、「ごめんなさい」と言うべきときに"voilà"というのにはまだ慣れない。




他にも、"là"と"quoi"(コワ)もおもしろい使われ方をする。


"là"は強調するときに(しばしばしなくてもいいときにも)名詞の後ろにつけてくる。
日本語でいう「〜がね」の「ね」のようなかんじだと思われる。
"ce jour-là"(あの日)
"ces gens-là"(この人たち)
"le premier 6 mètres-là"(次の曲がり角で)
(※道路の幅が6m間隔らしく、「次の6m」という言い方をよくする)



"quoi"は英語の"what"に当たる疑問詞だが「つまり、要するに」という意味にも使われる。
なんとなく、使い慣れない単語を言った後や何かの説明をしたあとに
「〜のようなもの」、「〜っていうかんじ」のようにくっつけてくる気がする。



ブルキナベA:Ça-là, c'est Mariko. Elle est, chose, volontaire japonaise, quoi.
(あぁ、これマリコっていうんだ。彼女はあれだ、日本人のボランティアってやつだ。)
私:Enchantée.(初めまして)
ブルキナベB:Voilà!



発音に限らず、単語の使い方、イントネーション、呼吸の置き方など
独特のものがあって、どうしても染まってしまう。
ブルキナのフランス語はあまり上品とはいえないけれど、
親せきのおじちゃんおばちゃんの方言のようなあったかさがあっていい。