じいちゃん その2

職場にいるもう一人のじいちゃんの話。


彼はずんぐりしていて足が悪く、
ゆっくりゆっくり歩いて話し方もゆっくりだ。
丸い顔に目が光って、年老いたゴジラというかんじ。


"Bonjour, ça va?" と型どおりのあいさつをすると
「お腹がすいた」とカウンターを返してくるような人で、


現地語がわからなくて「わからない」と言っても
容赦なく現地語でしゃべってくる。


「ドッスン」だったか「バッタン」だったか、
マリオのゲームに出てくるぬりかべみたいなやつの雰囲気があり、
先日、そこそこに会話を切り上げて立ち去ると
彼も同じ方向に用事があるらしく後ろからゆっくりついてきて、
私が用を終えてまた別の方向に歩いて抜き去ったときに
自分がドッスンの横をすり抜けるマリオになった気分になった。