山登り

「なんで山に登るの?」「なんですぐ降りるのに登るの?」


子どもの頃、「山に行くぞ」と父に言われるたびにそう聞いていたことをふと思い出した。
なかなか答えに困ると思うが父は「山に登ると気持ちがいいからだ」と答えていた。
山登りが嫌いだったから「私は疲れるから気持ちよくないもん」と口をとんがらせてた。



教育を経済的な視点から勉強していると
「小学校を卒業しても勉強が生かされないような職業に就くのになんで小学校を出ないといけないの?」とか

「なんで農村に中学校がいるの?」とか

「就学中のコストと卒業後の賃金上昇率を考えたら大学に行かない方がいいんじゃないの?」とか

そういう疑問を抱いて教育を考えることがある。


「山に登ると気持ちがいいからだ」
これはけっこういい答えだと思う。
「そう決めたからだ」とかいう答えじゃなくて良かった。


教育を考えるときに卒業生の賃金とか進学率とかに目がいきがちだけど
もっと大事なことは生徒がその過程に得るもので、それは数字とか目に見えるものじゃないかもしれないことを思い出させられた。