黒信号

ブルキナファソは最貧国の割に信号機が多い、と誰か言っていた。
確かに、多い。


車線はないが片側2車線くらいの幅の道路で
普通の三色の信号とその下に角度を少し変えた小さな信号、
そして高いところに普通サイズの信号がついていて、
右側の二輪車専用の車線用にも信号が大小ついている。


つまり、なんと合計5個の信号がついていることがあるのだ。


対向車線にも5個、垂直に交わる道路にもそれぞれ5個ずつ信号があるから
一つの交差点に20個も信号があることになる。


そこで何が問題かというと、実は停電が多いのだ。
今日は特別多くて1日で3回も停電した。


世紀末とか世界の終焉のような映画だと信号機が真っ黒になって交差点に車が入り乱れて前に進めない、
というようなシーンがあったりするが、ここではよくある光景だ。


毛糸がからまったのをほどくような慎重さと勘で交差点をすり抜ける。
クラクションを鳴らされることもあるし、ヒヤリとすることもある。



がんばって信号機を増やしたのはいいが、安定的に電力を供給できないと逆に危ないのだ。
援助をして見栄えだけよくしても最初は喜ばれるかもしれないが、
その維持管理を被援助国が自力で賄えないと意味がない、というのを肌で感じる。