小学校卒業試験

ちょっと活動の話。


SMASE(理数科教育教員養成プロジェクト)の人に頼まれて7153人分の小学校の卒業試験の点数を入力した。


エライ人に「終わったら早く資料を返しなさい」と急かされた上に
次の週から他の研修が始まると言われていたから昼休み返上でがんばったところ2週間ほどで終わった。
土日を省いた10日で割ると1日に700人以上のデータを入力したのだなぁと思うと
ちょっと自分にご褒美をあげたくなって、
夜ゆっくり映画を見ようと思ったらなんとウイルスにやられて映画のデータがない…。
(後日、同期のPC隊員のおかげでデータは戻ってきたからよかった。)


データ入力に話を戻すと、最初のうちはけっこう楽しんでやっていて
「この区域は優秀な子が多いなぁ」とか、「なんでこんなに浪人生が多いんだ」とか、
全教科満点に近い点数を採ってるのに中学に進学しない生徒は
「家庭の事情があるのかな」と想像してちょっと切なくなったりしていた。
(実際は15歳までしか進学できないという年齢制限が理由であることが多いらしい。
浪人生は小学校卒業のための点数は超えているが中学校入学の点数には至らなかった生徒で、
中学校が提示する定員数によって増減する。)


途中からだんだん飽きてしんどくなってきて、
全体の平均点しか出さないんだったら1ページごとでも2ページごとでも直接平均点を計算して
人数でかけたのを足していけば全部の点数入力する必要ないんじゃないかとか考えてたけど、
なんにせよ生のデータに触れるのはすごく貴重な機会。
数字を入力しながらいろいろ考えさせられた。


全国一律で試験をすると地方と首都では学校数も教員数も違って学力の格差があるから合格率も差が出る。
地方で質の悪い教育しか受けられなかった子どもに
一日だけ「公平」に試験をして「不合格」とするのはかわいそうな気もするが、
地域格差を精確に把握して改善のための政策につなげることが重要なのだ。


統計の仕事は問題を精確に把握して政策に結び付けてもらうこと。
政策策定のほうが生産的でそっちをやりたいと思ったりするけど、統計も有意義だ。
配属先の統計課ではデータを集計するに留まっていて分析するところまでしないから
すごく歯がゆいけれど、あぁ首都でよかった、国全体の教育計画を立てる機関がすぐ近くにあって
そこの人が「もっと高度なことがしたいならここで働けばいい」と言ってくれた。
もちろん配属された以上は配属先でちゃんと活動を続けるけど、
報告書を提出して暇になるときとかに行って勉強させてもらおうと思う。