職場のゲーム事情

朝、雨が降っていた。


雨が降っている間は外に出られない。
雨がやんだら仕事に行く。


職場につくと同僚のおじさんが新しくゲームをダウンロードしたらしく
うれしそうにカチカチやっている。


「それ無料?」と聞くとにっこり笑ってうなずくから
「無料ゲームにはウィルスいっぱいついてくるから気をつけてね」っておしえてあげた。
「ア〜」といってゲームを続けるおじさん。
今度「気をつける」の意味をおしえなかんわ。


周りから流れてくるいろんな色の石に合わせて
カエルが真ん中で吐き出す石を飛ばして
三つ以上同じ色の石がくっつくと消える。
真ん中まで石が到達するとゲームオーバーというもの。


最初横目で見てたらすぐゲームオーバーになってたのに
一時間ぐらいしたら上達してきた。連鎖とかしてるし。


他の同僚のおばさんが通りがかって
「エッ!(驚いたときの声)それよ私がほしいのは!
なんでくれないのよ!私は一日中座ってるだけでひましてるのに」
というようなことを言ってコピーしてもらっていった。
いつものソリティアから卒業だね。


ちなみにおじさんはコピーの仕方がわからなかったので
いつもやってるでしょって思ってイラッとしながら
「右クリックでコピー」といつもの言葉を繰り返した。
こういうとき声が冷たくなっちゃうからいかん。


苦笑の耐えない愉快な職場だわ、と心の中で皮肉ってみる。


来週、小学校の卒業試験があってその統計処理が始まるから
そこからは忙しくなるはず。


ゲームをしているおじさんの横で去年のデータを使って分析をしている。
「本来あなたの仕事なんだけど」と思わないこともない。


もし「途上国の人々のために何かしたい」っていう気持ちで来ていたら嫌になっていたかもしれない。
「私がこんなにがんばってるのに」って思っていたかもしれない。
けど私は自分のために来た。したいことをする。だからがんばれる。
同僚が暇してるのは、いつでも質問とか相談ができるからいいことなんだ。
自分に言い聞かせる。


お。三連鎖してる。