きれいなゴミ
以前、ビジネスコンテストのようなものに参加した。
ある架空の地域の開発プロジェクトをグループごとに考えるというもの。
あるグループが、「特産品のバナナの葉っぱから紙を作って売る」という案を発表した。
たぶん、普通の紙の方が安くて質がいいだろう。
「ゴミからゴミを作ってもお金がかかるだけだ」
冷ややかな感想を持った。
今、ブルキナの統計課で働く人たちエクセルの指導をしている。
この人たちはエクセルで計算することを知らないし
そもそも計算することが求められていない。
紙に書いてある数字を打ち込むだけ。
罫線を太くする、
太字にする、
文字を右揃えにする、
行間の間隔を変える、
見た目を良くすることだけに労力を費やす。
数字の意味を考えない。
「どうしよう、この人たちはひたすらきれいなゴミを作っている」
仕方がないのでひとまず、きれいなゴミをよりきれいにしてあげている。
でもこのままじゃいけない。
ネジやボルトの塊にリボンをかけて満足している人たちに
それを組み立てることを教えなければ。