機械音

ピッピッピッ

どこからか音が聴こえる。


ようやく自分の家に引っ越してきた。
まだ電気が通っていないが
水は出るからヘッドライトの光でなんとか暮らしている。


夜は暑い。

ラジオに飽きてボーっとしていると音が聴こえてきた。
自転車のトレーニングマシンが出す音とか
時報を告げる音に似た
ごく普通の機械音。


どんどん速くなる。

なんだ、何か爆発するのか?
にわかに怖くなる。


すると音が加わった。
さっきまでのが「ファ」に近い音。
「ファ#」が加わった。
さらに「ラ」も加わった。


「ラ」はバスケットシューズを体育館でキュッと鳴らしたときのような音だ。
音程が不安定で「ソ」や「シ」になったりする。


あぁ、鳥か。
ようやく安心する。
私がこの鳥の声から機械音を連想するのとちょうど同じように
日本に来たブルキナ人は機械音を聴いてこの鳥を思い出すのだろうか。