フロンティア

先週の土日にKayaというところに行ってきた。
首都からバスで2時間、皮製品と串焼き、ピーナッツのお菓子が有名な町だ。


以前書いたNGOのプロジェクトの様子を見に行ってきた。


校舎(といっても屋根だけの予定)、事務所、トイレをつくる予定の土地を見てきた。
小さな土地で、雑草と小石もまだ取り除かれていない。



"Voir, c'est croire." 百聞は一見に如かずで、
町の規模、発展の様子、人々の生活水準、プロジェクトの土地の大きさ、
近所の人の反応、NGOのメンバーの様子など、
その地に立って見回してみてやっと納得することがいっぱいあった。


もう一つの土地は町の中心から大分離れた場所にあり、
「ここ」と言われても思わず「どこ?」と聞いてしまうような
ただただ粟や雑草が生い茂っている場所だった。



思わず「フロンティア」とつぶやいた。
ここに職業訓練のセンターを建てる。
建物を建て、先生を雇って設備を揃えるらしい。
それより「会議の場」とか「事務所」っていうだけにして、
それぞれの工場とか仕事場で訓練生を受け入れてもらえるよう交渉して、
NGOの役割は訓練先との交渉、訓練生への情報提供と奨学金の支援だけにしたほうが
設備投資もいらないしその時々のニーズに応じて訓練を提供できるからいいんじゃないかというと
「工場」と言ったところでKayaにはちゃんとした工場がないのだ、と言われた。


他の団体のプロジェクトとかどこかで読んだこととか自分の考えとか、
いろんなアイデアを出してみると
「実際はこういう問題があるからそれは難しい」とかいわれてはっとしたり、
「それはすごくいいアイデアだから今度話しあってみる」といわれてうれしかったり、
机上の空論じゃなくて、アクションまでの距離が短いから楽しい。




最近読んでいる本『アフリカに聞き入る』、
少し古いけどブルキナファソのことが書いてあって
そこから何か取り入れるものはないかと思って読むから普段は読み飛ばす箇所に目が行く。


先日"Naaba"(ナアバ)だと紹介してもらったおじさんは
その本によると「伝統的な農村団体の最高指導者」という肩書らしい。


彼は二人奥さんがいるとのことで「私は一夫多妻は好きじゃない」と言ったけど
「首都に来た時と村にいる時とでそれぞれに家と世話をする妻が必要だ」と言われ、
そのときは納得しなかったけど今思えば村の一番偉い人だったら仕方ないのかなぁと思った。
おみやげに大きなパパイヤを6個もくれてうれしかった。


「伝統的な農村団体の最高指導者」と文字で読むのと
実際に隣でビールを飲んで一夫多妻がどうのととりとめない話をするのとで
情報に血が通って、何かに生きてくる気がする。



私の将来もまたフロンティアで自分の将来の就職先のことが不安だったけど、どこで何をするにしろ、
子どもや若者の教育、職業訓練のために何かしていこうという気持ちが固まった。






食べると少し甘みがあるが皮が口に残る。



村の人。モレ語を少ししゃべるだけで大喜びしてくれた。